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コラム

ウォルト・ディズニーにあやかる仕事術

皆様はウォルト・ディズニー(Walt Disney)をご存じでしょうか?ミッキーマウスなどたくさんのディズニー作品を生み出した、世界的なアニメーション作家です。ディズニー作品は、時代や世代を超えて世界中から愛されています。日本では、東京ディズニーランド・シーが夢の国として有名です。

今も人々に夢を与えつづけるウォルト・ディズニー。彼は、どのように仕事に取り組み、今なお愛されるキャラクターや夢の国を実現したのでしょうか。

並外れた能力の持ち主の考え方を研究したロバート・ディルツ(Robert B. Dilts)は、ウォルト・ディズニーがある問題に対して3つの視点から意見を出し合い、解決策を見出そうとしていることを発見しました。3つの視点は、ウォルト・ディズニーが行っていたことから、「ディズニー・ストラテジー」と呼ばれています。

1つ目は、“夢を語る人”の視点。夢みたいな話、非現実的な話ばかりをする視点です。自分の中の制限や常識を取り払って、好きに考えるのがポイントです。この視点でいる時、自分に不可能なことは何もありません。思いついたときにワクワクする感じのアイディアを、とにかく生み出していきます。

2つ目は、“現実を見る人”の視点。夢を叶えるための現実的な方法を考える視点です。どのように計画を立てて行動するか、PDCAサイクルのP(Plan・計画)とD(Do・実行)に当たることを考えていきます。大切なのは夢から脱線しないこと。あくまでも夢を基軸に考えていくことがポイントです。

3つ目は、“批判する人”の視点。実現に対しての問題点がないかを指摘する視点です。PDCAサイクルのC(Check・評価)とA(Act・改善)に当たります。この時も“現実を見る人”の視点と同様、決して夢をけなさず、前向きで現状をよりよくしていこうという姿勢で臨むことがポイントです。“夢を語る人”の視点で生まれた案の中には、無限の可能性(ヒント)がいっぱい詰まっています。単に批判するのではなく、その可能性をいかにうまく引き出せるかという夢を尊重する姿勢を忘れてはいけません。

よく見るとこの3つの視点は、誰もが自分の中に持っています。しかし、人それぞれ、よく使う視点とあまり使わない視点があるかと思います。大切なのは、3つの視点をバランスよく持つこと。ウォルト・ディズニーも約90年前、この3つの視点でバランスよく考えることで、ミッキーマウスが生まれました。

ウォルト・ディズニーにあやかり、3つのそれぞれの視点に立って考えてみると、突破口が見出せるかもしれません。

 

(御池メンタルサポートセンター 臨床心理士 倉谷昂志)