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第92回日本産業衛生学会の報告

去る2019年5月22日(水)から25日(土)にかけ、街路樹の若葉がみずみずしい名古屋にて、「第92回日本産業衛生学会」が開催されまた。
メインテーマは「現場への貢献!~人・企業・社会を支える~」
名古屋国際会議場において、全国から大勢の学会関係者らが一同に会し、情報交換を行いました。

御池メンタルサポートセンターからは、臨床心理士の水本課長と倉谷課員が発表を行いました。

水本 正志 5月23日(木)パネルディスカッション3「産業保健における心理職の役割」

演題「外部労働衛生機関の心理職による産業保健活動」

発表概要:京都工場保健会(当会)は多様な産業保健専門職が所属する労働衛生機関であるが、様々な事業場からの依頼に応えるため、各専門職が連携しながら対応する場面も少なくない。当会心理職は外部専門職として事業場のメンタルヘルス支援に携わっており、労働衛生機関の心理職として特徴的と思われる3種の取り組み、活動を行っている。今回の発表では、短期間に多数の心理職を動員して実施する人事異動後面談、ストレスチェック後の取り組みとして依頼を受けることが多い職場ケア・プログラム、他職種との連携・協働支援について紹介した。

今回の学会ではパネルディスカッションのパネリストを初めて経験いたしました。遅い時間帯のパネルディスカッションにも関わらず多くの方々にご来場いただき、有り難い限りです。
産業保健における心理職の役割は今後ますます広がっていくことが予想されますが、多様なニーズに対応するためには産業心理職の養成が必須です。パネルディスカッションに登壇された他の先生方やフロアの先生方からも産業心理職の育成に関する話題が上がり、当会メンタルヘルス事業主管課の課長職としても真剣に取り組まなければならないと再確認しました。今後もより多くの事業場のお役に立てるよう研鑽を重ねたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。(京都工場保健会 御池メンタルサポートセンター 臨床心理士 水本 正志)

倉谷 昂志 5月24日(金)一般演題

演題「仕事のモチベーションと心理的ストレス反応からみた職場タイプ判定と健康リスクの関連」

発表概要:京都工場保健会(当会)ではストレスチェック集団分析において、仕事のモチベーション(当会独自尺度)と心理的ストレス反応の値から、職場の状況を把握する「職場タイプ判定」を取り入れている。一方、仕事の負荷と周囲のサポートからなる健康リスクは、当会以外の集団分析でも広く活用されている。健康リスクと「職場タイプ判定」の関連を検討することは、健康リスクから職場のメンタルヘルス対策を検討することに寄与できると思われる。そこで、本研究では健康リスクと「職場タイプ判定」の関連を検討した。

今回、初めて日本産業衛生学会に参加しました。当日は今年初めての真夏日で、議論も気温も熱気にあふれていました。開催場所が名古屋ということもあって、大手自動車メーカーの副社長様や、大手ロケット産業の事業統括者様が講演されるなど、日本産業の最前線を知る貴重な機会になりました。メンタルヘルスに関するテーマの会場も盛況で、あらためて注目の高さを感じました。今回の学会で頂いた知見・体験を、労働者の方々に還元できるよう、今後も日々精進して参ります。(京都工場保健会 御池メンタルサポートセンター 臨床心理士 倉谷 昂志)